新規強心薬の開発

研究分野

  • 新規強心薬の開発
  • 細胞の力学的負荷と収縮性評価
  • タンパク質分解を標的とした薬剤スクリーニング
  • 転写制御・1細胞トランス クリプトーム
  • ミトコンドリア病 治療薬開発

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新規強心薬の開発

創薬(新規サルコメア収縮調節薬の開発)

心臓病の終末状態である重症心不全は未だに大きな医学的、社会的課題であり、最先端医療を享受できる重症心不全患者は一握りです。私たちの研究室では、心不全患者さんの心筋組織を使った解析により、世界で初めて心臓特異的なミオシン軽鎖リン酸化酵素(cardiac myosin light chain kinase: cMLCK)を発見しました。心筋ミオシン調節軽鎖(RLC)のリン酸化は、心筋収縮性を増強する生理的因子として古くより知られており、神経体液性因子の活性化や心筋酸素消費量の増加を伴わずに強心作用を発揮します。そこで私たちはミオシン調節軽鎖のリン酸化状態を制御する複数の蛋白質を標的とした化合物の開発を進めています。カテコラミンやPDE3阻害剤などの従来の強心薬とは異なり、心不全患者の予後を悪化させずに重症心不全患者のADLを改善できる新しいタイプの経口強心薬を目指します。その他にもミオシン調節軽鎖リン酸化阻害剤による収縮抑制剤(肥大型心筋症などを対象)、骨格筋サルコメアに対する創薬(サルコペニア、ALS、重症筋無力症などを対象)も行っています。

本研究は、大阪大学大学院薬学研究科構造展開ユニット、化合物ライブラリースクリーニングセンター、大阪大学大学院医学系研究科循環器内科、東京大学創薬機構、高エネルギー加速器研究機構物質構造化学研究所構造生物学研究センター、国立循環器病研究センター臨床研究開発部など、多くの研究施設と共同研究を行っています。

特定分子の機能解析

担当者 塚本 蔵